なだらかな丘陵を歩んでなぞる、車山高原ハイキング

山歩きと聞くと、ストイックなイメージを持たれる方も多いだろう。

しかし、白樺湖のすぐそばの車山周辺では非常に手軽に山歩きを楽しむことができる。

今回はビギナーのみなさんにもおすすめのハイキングコースを、実際に体験したSANU TEAMのメンバーがご紹介。

ぜひ、早起きをした朝の散策や、お子さんと一緒に楽しむ自然あそびとして試してほしい。

体験した人|Sayaka (カスタマーサクセスマネージャー兼クリエイティブマネージャー)

ボーイスカウトを通じてキャンプとハイキングなど自然と距離の近い幼少期〜学生時代を過ごす。SANUへの入社をきっかけに、再び登山に熱中。音楽フェスと登山、二足の草鞋で趣味を楽しむ。今シーズンは秋に計画している北アルプス・雲ノ平登山に向けて絶賛体力強化中。

所要時間:約2時間

距離:4.6km

標高差:281m

必要なもの:歩きやすい靴、タオル、水筒、帽子、楽しむ気持ちとめげない心

<コース紹介>

00:00 車山肩駐車場

 ↓

00:35 クヌルプヒュッテ(山小屋)

 ↓

01:18 蝶々深山

 ↓

01:38 車山乗越

 ↓

01:59 車山肩駐車場


▶︎コース詳細はこちら

 

今回は車山肩駐車場から、沢を抜けて「蝶々深山」を通過する周回ルート。

標高差も280m前後と非常にライトで、コースの後半は木道が整備されているので、普段歩き慣れていない人でも無理無く歩けるコース。

一口にハイキングと言っても、楽しみ方はさまざまですが、今回は、車山高原でのハイキングの魅力を3つのポイントに分けてご紹介します。

1. 初めから終わりまで遠くの景色が一望できる

|森林限界点より高度が高い地点の山の景色。地面に這いつくばるような形で背の低い高山植物が生息している

山には環境によって高木が育たず森林を形成することができない境界線が存在し、その境界線を「森林限界」と呼びます。

日本の本州の森林限界は標高2,000〜3,000m間に位置していることが多いため、山頂を目指す「登山」では、多くの場合登山口から山頂まで、森を通って山道をひたすら歩いて行きます。なので、登山では森林限界や山頂付近まで到達しないとなかなか遠くまで見通しの良い景色が拝めません。

|左:出発地点からの最初の下り道|右:標高が高く雲が近くに発生するため、草原に雲の影が落ちる景色も楽しめる

一方、車山高原は丘陵地帯に広がっているので、コースの初めから終わりまで、見晴らしの良い景色を眺めながら山行を楽しめます。天気が良ければ、南アルプスや八ヶ岳連峰、遥か遠くの富士山まで見通すこともできます。数百メートル離れた丘の上を歩く他の登山客が米粒のようなサイズで歩いている様子も、ジオラマ感がありなんとも不思議な気分にさせてくれます。

|蝶々深山山頂へ向かう米粒サイズのSANU TEAM御一行(画面左)

そして、この周回コースで何より嬉しいのは自分の来し方行く先がほぼ常時見えていること。すでに歩いた地点を遠くに眺め、その軌跡を実感しながら歩けるので、「もうここまで来たんだ!」と常に達成感に満ちた状態で歩を進められるのです。

 

2. 目に美しい色鮮やかな高原植物

真っ赤な朱色が眩しいレンゲツヅジが咲く5月から、黄金色のススキに高原一帯が覆われ草紅葉が楽しめる秋にかけて、約600種類もの高山植物が咲き誇る車山高原。

特に夏の時期には鮮やかな黄色のニッコウキスゲやキンバイソウが草原の緑に良く映えます。

高原植物や高山植物は短い夏の期間にしか結実できるチャンスがないため、花粉を運ぶ昆虫を引き寄せるために鮮やかで大きな花をつけたり、一斉に花開いたりするのだそう。

これほどまでに色とりどりの花が自生するのも高原という環境ならでは。

花の開花情報を参考にして、四季ごとに新しい植物との出会いを楽しむのもおすすめです。

|左:7〜9月に咲くヨツバヒヨドリ。奥に見える黄色い花はキンバイソウ|右:形が雅楽で使われる被り物の鳥兜に似ていることからトリカブトの名を冠するツクバトリカブト。毒性のある植物なので、不用意に触れないよう注意しましょう

3. 冬には一面の銀世界を楽しめる

標高1,700m前後に位置する車山高原は緑鮮やかな夏山と打って変わって、冬にはあたり一面雪で覆われまったく違う表情で楽しませてくれます。

夏山との違いは山の様相だけではありません。

雪のない季節は野生動物たちの気配を感じることは難しいですが、冬は一帯を覆う雪のおかげで、野生動物が残した足跡を観察することができるのです。

足跡の大きさや歩幅の間隔、雪の崩れ具合をよく観察してみると、どんな動物が歩いていたのか想像できるでしょう。

|左:一面雪に覆われた蝶々深山|右:防寒対策がばっちりできていればこんな風に雪の上にダイブもできちゃいます


登山靴の上から履くスノーシューやアイゼンを用意する必要があることに加えて、足捌きは悪くペースが落ちるため、夏山よりも時間がかかりますが、降りたての雪に踏み入れ、新しい道を切り拓いていくような感覚は冒険心を刺激します。

ぜひ、季節を跨いで何度も訪れて、前の季節にはなかった新しい発見を探しに出掛けてみてはいかがでしょう?


 

車山高原を思い切り楽しむためのポイント

📌夏の早朝、車山肩駐車場は非常に混み合うので、早朝に来て駐車場を確保するのがおすすめ。

📌ラストスパートの坂を登り切った先に佇む山小屋「ころぼっくるひゅって」のサイフォンコーヒーは絶品。すっかり熱った身体をクールダウンさせる前に、淹れたてのコーヒーでリフレッシュするのは最高。冬のスノーシューハイクの後は、名物のボルシチを召し上がれ。


📌冬季は
車山高原SKYPARKスキー場mont-bell諏訪店でスノーシューもレンタルできる。

 
 
SANU team

「自然のなかにあるもう一つの家」を持つセカンドホームサブスクリプションサービス。

https://2ndhome.sa-nu.com/2ndhome
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